初めての論文

論文を書くってめちゃくちゃ難しく感じませんか?

 

何を書いたらええねん!って私も思ってました。私は学部3年のころから論文執筆に携わり始めましたが、最初の頃は先輩のアシスタントとして論文を書いていました。なので、論文のお作法はすべて先輩から学びました。

 

今回はこれから論文を書こうとしている人にとって少しでも役に立てる内容にしたいと思います。

 

サーベイはしたか

論文を読む

論文を書くときには、ちゃんとしたサーベイが必要になります。よく、その分野を網羅的に学ぶには論文を300本読まなければならないとか言われます。

 

しかし、研究を始めたての人はそんなに読む体力が無いと思いますし、良い論文を探すテクニックも分からないと思います。なので、今回オススメするのはサーベイ論文を探すということです。

 

サーベイ論文とはその分野のことを100本ほどの論文を元にまとめたものです。つまり、サーベイ論文を読むだけで、大量の論文を読むことに近いと考えています。また、サーベイ論文の中で引用されている論文を探して読むことで、価値の高い論文を読むことにもつながります。

 

サーベイ論文の探し方について、google scholarを使いましょう。しかし、日本語論文はあまり数がないので、英語論文を探した方が良いと思います。検索ワードは「〇〇 survey」などとすると、たくさんの論文が出てくると思います。

 

論文の読み方

初めて論文を読む人は上から順番に読んでしまいます。これの問題は途中で力つきることです。特に英語論文の場合は第1章のイントロダクションで心が折れる人をよく見かけます。

 

なぜならば、論文を読む順番が違うからです。

一般的な論文は

  1. アブストラク
  2. はじめに(Introduction)
  3. 関連研究
  4. 提案方式
  5. 評価方法
  6. 評価結果
  7. まとめ(Conclusion)

という流れで書かれていることが多いです。

私がオススメする順番は

 

  1. アブストラク
  2. まとめ(Conclusion)
  3. 提案方式
  4. 評価方法
  5. 評価結果
  6. 関連研究
  7. イントロダクション

です。アブストラクトは論文を短くまとめてくれているものです。つまり、アブストを読んで流れん把握することが大切なのです。また、アブストの段階で自分が欲しい情報でなければ、そもそも続きを読む必要がないのです。

 

次に結論です。結論では論文の評価結果と提案方式の有効性が短く書かれています。

 

その後、提案方式から読んでいくと非常に分かりやすくなるとおもいます。

 

 

読んだ論文はメモしておこう

私は落合陽一さんの論文のメモフォーマットを自分なりに改良して使っています。

 

  1. 何のための論文か
  2. 関連研究との違いはあるか
  3. 実装方式は何か
  4. どのように評価したのか
  5. 提案方式で検討されていない内容はあるか
  6. 次に読むべき論文は何か

 

このように読んだ論文をまとめておくことて、自分の資産になります。あとから探すときにも非常に便利なので、必ずメモするようにしましょう。

 

執筆しよう

さて、ここまで徹底的にサーベイを行なったなら、ついに執筆に入ります。自分が述べたいことをより伝えやすくするために、論理展開を考えましょう。

 

 

 

論理展開を考えるときに、私はまず、声に出してせつめいしてみます(ひとり言)。これのメリットは相手をイメージして話すことで、伝わりやすさを意識します。また、話すという行為はタイピングや筆記速度よりも圧倒的に速いです。つまり、自分の思考がダイレクトに声として出力されます。自分の話し方や説明の仕方を何度も変えながら、もっとも伝わりやすいストーリーを考えます。

 

これができれば、その流れを箇条書きにしましょう。

 

私はアナログのノートをよく使います。アナログの良いところは文字の書く場所や文字サイズなどを好きな感じで書くことができるので、デジタルのような余計な手間がなく、思考を邪魔しません。

 

箇条書きがある程度まとまったら、今度はそれを目次にしてみましょう。「はじめに」にかけることは何だろうとか、「関連研究」に何を書こうかなど、箇条書きを元に目次を作ります。

 

本文を書こう

目次ができれば、先ほど自分がひとり言していた内容を書き始めましょう。論理的かつ分かりやすいように工夫しながら、何度も「ひとり言」、「箇条書き」、「目次」、「執筆」と行ったり来たりして書いてみましょう。

 

その流れができてしまえば、あとは時間の問題です。少しずつだけど、確実に論文は進んでいきます。

 

さいごに

今回は初めて論文を書く方へ私なりのやり方を共有しました。少しでもあなたのお役に立てれば、私は幸せです。